ハウスメーカーと工務店、どっちがいいの?
ハウスメーカーと工務店の違い
注文住宅を建てるにあたって、まずは施工してもらう会社を決めなければなりませんが、工務店やハウスメーカーなど、依頼先の選択肢はいろいろあります。しかし家を建てることになるまでは、ハウスメーカーと工務店の何が違うのかも知らない人がほとんどですよね。今や工務店、ハウスメーカーという定義も複雑になってきていますが、基本的には、以下のような違いがあります。
- 工務店
- 地域密着色が強く、職人である棟梁が設計から工事までを請け負うところや、外部の建築家の設計を受けて施工のみを行う職人集団、ハウスメーカーの下請けで施工のみを行うなど、いろいろなタイプがある。
- ハウスメーカー
- 住宅の工法や部材、サイズなどの基本仕様に関する認可を行政から受け、その規格の範囲内で一律の設計、施工を行う。設計や施工方法をある程度統一することで、品質と生産効率を高めている。
業務内容の性質には上記のような違いがありますが、実際に工務店に依頼した場合と、ハウスメーカーに依頼した場合では、依頼者である私たちにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。次項ではそのメリット・デメリットについてそれぞれ見ていきたいと思います。
ハウスメーカーと工務店のメリット・デメリット
- 工務店について
- メリット工務店では、間取りやデザインを含む全体的なプランを施主と一緒に作り上げていくため、自由度が非常に高いというのが大きなポイントです。融通が効きやすく、予算を伝えてその範囲内で施工してもらうことも可能。また、地域密着型であることが多く、その地域の特性に合った家づくりに精通しています。
- デメリット展示場やモデルハウスがなく、これから建つ家のイメージを持ちにくいというデメリットはありますが、これまでに施工した実際の住宅を見せてもらえる場合もあります。また、広告宣伝をしないところが多いため、知名度が低く、信用度がわからないということをデメリットに感じる人もいるでしょう。
- ハウスメーカーについて
- メリット設計や施工をある規格化・工業化し、資材や設備を一括仕入れすることで大幅なコストダウンを可能にしていること、またそのハウスメーカーが建てる住宅については品質が一定に保たれるという安心感を提供していることなどがメリットでしょう。住宅展示場やモデルハウスも多く、事前にイメージを持ちやすいというのもうれしいポイントです。
- デメリット自由設計と言っても工務店のように完全にゼロから作り上げるのではなく、ある程度のプランにのっとった形になります。また、システムや品質が均一化されていて安心できる反面、融通が効きにくいことが多く、設計・設備・資材・プランなどすべてにおいて、ある範囲の選択肢の中から選ぶことになります。
注文住宅会社の選び方
今は工務店にも、地元で顔の見える範囲で仕事をしている地域密着のところから、都道府県をまたいで広範囲に対応エリアを持ち、展示場やモデルハウスも展開しているような大規模なところまでいろいろあります。同じく、ハウスメーカーにもいろいろなタイプがあるため、メリット・デメリットは一概にはあてはまりませんが、基本的には上記のような傾向があることを念頭に置きつつ、気になる注文住宅会社のメリット・デメリットを探ってみてください。
注文住宅会社の選び方は、施主となる側の希望によって変わります。会社の知名度などは気にせず、本当に自由にイチから自分の家を一緒に建ててもらいたい、そのためには何度も足を運んで時間をかけても構わない、という人は工務店が向いているでしょう。一方で、知名度や実績のある会社にお任せして、ある程度決まった中からプランを選んでいきたい、という人はハウスメーカーのほうがいいかもしれません。
どんな風に家を建てたいか、というのは、実際に動き出してからわかることもあります。工務店、ハウスメーカーとあらかじめ決めてしまわずに、複数の会社を訪問して話を聞き、数社で相見積もりを出してもらってから、金額、会社の信頼性、担当者の対応、会社の実績、技術力、保証内容など、あらゆる項目を比較検討してじっくり考えて決めるといいと思います。